安掛君のミズーリ大学留学記

現在、新型コロナウイルスのパンデミックで、帰国中

まず、滞在中の出来事を記載してもらいます。

2021年5月22日

ミズーリ大学留学記 Vol. 1

NPO法人農業微生物利用技術協議会のホームページをご覧の皆さま、はじめまして。
会員の安掛真一郎(あがけしんいちろう)と申します。

私は2021年現在、東京農工大学の博士課程で植物栄養学研究室に在籍しています(http://web.tuat.ac.jp/~plantnut/)。農業微生物の研究のため、文部科学省のトビタテ!留学JAPAN制度を利用し、2019年12月から2020年3月までアメリカ合衆国ミズーリ州のミズーリ大学コロンビア校Gary Stacey研究室に留学していました。本来は一年間の留学の予定でしたが、新型コロナウイルスの影響で一時帰国しています。

研究の話だけでなく、ミズーリ州のことや日常生活での出来事などお伝えできればと思い記事を書いています。今回は第一回の「ミズーリ大学滞在記 Vol.1」として、ミズーリ州のことを紹介します!

ミズーリ州ってどんなところ?

初めて耳にする人も多いと思います。西海岸?東海岸?と聞かれることが多々ありますが、ミズーリ州は内陸に位置しています。シカゴがあるイリノイ州と隣接していて、アメリカ合衆国で二番目に長いミシシッピ川が州の東沿いを流れています。

ミズーリ州の位置(Google Earth参照)

では、ミズーリ州がどんなところかイメージしやすいように、日本と比較してみましょう。

時間
日本との時差は、通常15時間、サマータイムの時は日本の方が14時間早いです。私が留学していた時期は前者だったので、友達が飲み会で盛り上がっている21時頃は、朝の6時ごろでした。

人口
面積は日本の半分もありますが、人口は20分の1に留まるため、人口密度が約10分の1です。私が居住している東京は、人口密度が6,300人/km2なので、ミズーリ州と比べて190倍の人口密度になります。東京の人口密度の高さを改めて感じます。

気候
気候は湿潤大陸性気候で、私が滞在していた時は真冬だったため最低気温が氷点下20℃近いときもあり、かなり寒さが厳しかったです。また冬はとても乾燥するので、保湿クリームが必需品でした。その厳しい寒さを耐えていた留学期間中に、過冷却された雨が木の枝に触れた瞬間に凍る「雨氷;Freezing Rain」を初めて見ました。興奮しながら写真を沢山撮って登下校したのを覚えています。夏には最高気温が35℃にも達するようで、一年の間の気温差が大きいことがわかります。夏は滞在していなかったですが、湿度が高い日本よりも快適かも知れません。

雨氷(ミズーリ大学構内にて。安掛撮影)

地形
ミズーリ州の地形自体は広くなだらかな地形で、最も高い「タウム・ソーク山」でも540mということからも標高差が少ないことが分かります。ただ、私が生活していたコロンビア周辺は道路や土地が大きく広大だったので、日本の坂道よりも勾配があるように感じていました。広大な敷地を利用したミズーリ州の主な農業は、大豆、トウモロコシ、小麦、綿花、養豚と酪農が盛んのようです。

交通手段
ミズーリ州内は主要都市以外電車が無く、公共交通機関はバスしかありません。私の生活圏内は、グローサリーストア(日本でのスーパーマーケット)に行くバスが30分〜1時間に一本とかでしたので、そこまで自転車で行くこともありました。あとは自家用車を持つ知り合いに連れて行ってもらったりUberを利用したりしましたが、中古の自家用車を購入すると便利だと思います。

日本との姉妹都市提携
恥ずかしながら帰国してから知ったのですが、ミズーリ州は長野県と姉妹提携をしていて、同県諏訪市は同州セントルイス市と姉妹都市のようです。また同州のインディペンデンス市は東京都東村山市、スプリングフィールド市は群馬県伊勢崎市と、そして私が住んでいたコロンビア市は石川県白山市と姉妹都市みたいです。他にも会津若松市(福島)、新発田市(新潟県)、倉敷市(岡山県)がそれぞれミズーリ州内の市と姉妹提携を結んでいます。今のコロナ禍では難しいでしょうが、多くの人がミズーリ州に訪れてくれるとなんだか嬉しく感じます。

(在シカゴ日本国総領事館HP参照)

ミズーリ州について、少し興味を持っていただけましたでしょうか。早く農業微生物研究についての話を聞きたい人もいるかも知れませんが、今回の記事はこの辺で終わりにします。また近々アップデートする予定なので、しばしお待ちください。

執筆:
NPO法人農業微生物利用技術協議会会員
東京農工大学大学院連合農学研究科植物栄養学研究室所属
安掛真一郎

ミズーリ大学のStacey先生