2021年3月5日
私達は、長年、土壌微生物の農業利用に関して共同研究を進めて参りました。減化学肥料を実現しながら農業生産力を低下させず、農家の農業収益を維持しながら、地球環境にもフレンドリーな新技術として、作物へ特異的に養分を供給する土壌微生物のバイオ肥料としての利用に関する研究です。バイオ肥料と総称しており、アジアや欧米において多様な研究が行われています。FNCAバイオ肥料プロジェクトでアジア地域のバイオ肥料の研究者と定期的な研究交流を行う事で、日本でも本格的なバイオ肥料の開発が必要と考え、平成20年より具体的な研究を開始しました。
理事長が所属していた東京農工大学、農研機構、京都府農林水産技術センター、福島県農業総合センター、(現)朝日アグリア株式会社等が共同で、日本で初めての水稲の増収減肥が可能なバイオ肥料(微生物資材)の開発を行い、その実用化に成功し、2021年春のイネ育苗時から、イネ育苗用の微生物資材として本格的に販売されています。開発には10年を超す年月が必要でした。また、多数の学生諸氏も研究に参加して技術が作られました。
この経験から、日本において土壌微生物の農業への有効利用をさらに拡大し、農業生産のイノベーション技術として産業化するためには、科学技術の振興を基盤として、農業生産地域の農業者や各地の消費者等との連携を図る必要があると考えました。これらの技術開発や人々との連携は、ひいては日本や世界の環境保全にも役立つと考えております。
そこで、不特定多数の者の利益の増進をめざすNPO法人として活動し、産業の基盤の確立、その社会的な理解の促進に寄与することが最も適当であるとの結論に至りました。
そこで、「農林水産業への土壌微生物利用技術の産業化とその知識を社会に広範囲に普及させること」を活動目的としたNPO法人を平成30年5月28日に設立致しました。
ご支援等、どうぞ宜しく御願い申し上げます。
NPO法人農業微生物利用技術協議会
(持続的農業発展に資する農業微生物利用技術の教育研究および普及協議会)
理事長 横山 正