
2027年5月12日
私達は、長年、土壌微生物の農業利用に関して共同研究を進めて参りました。減化学肥料を実現しながら農業生産力を低下させず、農家の農業収益を維持しながら、地球環境にもフレンドリーな新技術として、作物へ特異的に養分を供給する土壌微生物のバイオ肥料としての利用に関する研究です。バイオ肥料と総称しており、アジアや欧米において多様な研究が行われています。FNCAバイオ肥料プロジェクトでアジア地域のバイオ肥料の研究者と定期的な研究交流を行う事で、日本でも本格的なバイオ肥料の開発が必要と考え、2008年より具体的な研究を開始しました。
理事長が所属していた東京農工大学、農研機構、京都府農林水産技術センター、福島県農業総合センター、(現)朝日アグリア株式会社等が共同で、日本で初めての水稲の増収減肥が可能なバイオ肥料(微生物資材)の開発を行い、その実用化に成功し、2021年春のイネ育苗時から、イネ育苗用の微生物資材として本格的に販売されています。開発には10年を超す年月が必要でした。また、多数の学生諸氏も研究に参加して技術が作られ、知見や技術が集積しました。
近年、地球の気候変動等による外的な因子により、化学肥料を削減するバイオ肥料や高温条件下でも農作物の生育を維持できるバイオスティミュラントという様なキーワードで、日本においても土壌微生物や生理活性物質等を有効利用し農業生産のイノベーション技術として発展させようとる試みや、その産業化が急速に進展しています。
それらに興味をもって利用を試みる農家さんも増えています。ただ、それらの資材は、学術的に完成した理論に沿って利用されているものはまれで、十分な効果が出せなくても直裁的に農業現場へ投入される高価な資材が多数あります。農家さんは、それら資材の利用に関して、試行錯誤を強いられています。私たちは、利用者である農家さんや、その生産物を食する消費者の皆さんと一緒に、これらの資材の特性や利用技術を理解して、安全・安心で持続的な農業技術に発展させたい考えております。
そこで、産業の基盤の確立とともに、その社会的な理解の促進に寄与し、不特定多数の者の利益の増進をめざす活動が必要であるとの結論に至りました。
上記の考えに基づき、「農林水産業へのバイオ肥料としての土壌微生物やその他のバイオスティミュラント関連物質の利用技術の考え方やその有効利用による持続的な農業生産の大切さを社会に広範囲に普及させること」を活動目的としたNPO法人を2018年5月28日に設立し、活動を開始しました。
ご支援等、どうぞ宜しく御願い申し上げます。
NPO法人農業微生物利用技術協議会
(持続的農業発展に資する農業微生物利用技術の教育研究および普及協議会)
理事長 横山 正